地下鉄始発駅に住む

団欒

今日悲しい歌を聞いた。
亡くなった自分の子供に会いたいっていう歌だ。
その日、僕は仕事が終わったら早歩きで駅に向かった。地下鉄の中で足踏みした。
改札を抜けるといつも立ち寄るドラッグストアを素通りし、家に向かった。
玄関を開け、驚かさないように、でも急いでリビングのドアを開けた。
君はうつぶせで、両手を立ててこちらを向いている。
妻は「お帰りなさい」と笑顔で僕に言った。
妻が「お父さんが帰ってきたよ」と君に言った。
僕の顔を見て、僕の声を聞いて、君はにっこりと笑った。
僕は嬉しくて笑顔になった。
みんな笑顔になった。