地下鉄始発駅に住む

昼過ぎに陣痛の間隔が1時間位になったと一報。そして夕方には30分まで来たとの事。おおう、コレは近いか?急いで家に帰るが、ここからなかなか縮まらない。
どうやら長い予感がしてきたので、ちょっと寝ようという事に。
1時すき、間隔が10分程度まで短くなり、そろそろかと病院に連絡するが、7分くらいの間隔になったら連絡してきて下さいとの事。
7分か、その間隔で襲われたら、病院行くのも結構厳しいなあ。なんせ嫁は腰をやってるので、痛みが出てる時は動きが止まるのですよ。
そして間隔をメモし続け、10分を切り始めたのが4時くらい。コンスタントに10分切ったら病院へ向うぞ。7分切ったと言えばいいのだ。じゃないと、痛みが続いて家の外にも出れねえわ。
そして4時半過ぎ、暁に染まり始めた空を眺めながら、タクシーで病院へ向う。
相変わらず川口のタクシーは道を知らないなあ。ナビを必死にいじらなくていいから、この道真っ直ぐ行けばいいんだよ。そしたら夜間入口のとこに出るから心配するな。
夜間受付をして産科のフロアへ。よろよろしながら嫁は診察室へ。旦那は荷物を持ったまま控室へ。ややしばらくして陣痛室に呼ばれ、状況を聞く。
もう結構進んでるらしい。このままのペースだと9時くらいの見込み、いや、8時で来るかもよとの事。これは体力蓄えとかないとあかんやん。と、いう事で陣痛室で家から持参した赤飯おにぎりを夫婦で食べる。旦那は食べなくていいんだけど、そこは雰囲気で。
7時過ぎ、水分補給用のポカリの準備をしていると、妊婦さん用に朝食が。あ、ちゃんと出るのね。嫁、体力維持の為に必死に食う。
その後、検査をして状況を確認するが、もう一声みたい。陣痛も10分を切ったり、切らなかったり。なんか小康状態に入りましたよ。落ち着いた隙を見て、病院前のスーパーへ自分のご飯を買いに行く。ダッシュで戻って唸ってる嫁を見ながらナポリタンを食べる。
そうこうしてるうちに昼になっちゃった。
妊婦さん用の昼食が来る。
嫁が必死に食べる。
陣痛が来て唸る。
繰り返しです。
動いた方が促進されると言われ、散歩を試みる。せっかくだから売店にゼリーでも買いに行こう。だが、病室を出て最初のコーナーを回った段階で断念。ホーホーノテーで陣痛室のベットに戻る。
トイレに行くと言って部屋を出た嫁が、30分近く戻ってこない。そのまま診察になったっぽいが、ずいぶん長いなあ。
そのうち、助産師の親玉が来て出産に入れそうと説明される。あと15分位モニタリング観察したのち、行くってよ。
ここで15時、遂に来たか。
再びダッシュでスーパーへ。ゼリーと天丼を買って部屋に戻り、冷蔵庫にゼリーを入れようとしたら、水とポカリが無い。これは分娩室へ持って行ったな。って事はついに始まったな。
冷たい天丼を数秒で食べ、分娩室へ。そこにはすでに戦闘態勢の嫁。ああ、何も手伝えない。それでも何か出来る事は何だ。そうだ、うちわと濡れタオルだ。
するするっと分娩室を出ると、静かにダッシュ。そんでもって荷物の中からうちわとタオルを取り出す。タオルを濡らしたら分娩室へ戻れ、戻りやがれ。
陣痛が来る。うちわで煽ぐ。
陣痛が納まる。水分を取らせる。
繰り返します。
頭が見えるとこまで来てるらしい。そこからが厳しいらしい。
そして、嫁の体力の限界が近づいてきた時、第二段階の「みんなで手伝う」へ移行する事に。ちなみに第三段階は「見えてる頭を吸う」、第四段階は「陣痛促進剤」との事。
「みんなで手伝う」ってのも言葉はいいけど、ハードだぞう。
で、数回のトライの後、ついに誕生です。
結構育ってます。髪の毛めっちゃ生えてる。
旦那はちびと一緒に分娩室を出て身体確認と体重測定、身長確認を立ち会う。
3105g、52cm。よく育った女の子ですよ。
小っちゃい手をもちょもちょっとすると、もやっと笑顔になる。
かわいいやんけ。
一方、嫁は放心中。長時間頑張ったからね。まずは休もうや。
さて、名前をどうしようか。